この記事でわかること
- アクセルを開けるとエンジンが止まってしまう症状の原因
- キャブレター内部で起こる「よくあるトラブル」の正体
- 絶対にやってはいけない間違った修理方法(液体パッキンの罠)
こんにちは!埼玉・三郷市のジャイロキャノピー専門店、WINGオオタニです。
今回は、お客様からご相談の多い「2サイクル車のエンジン不調」に関するリアルな修理の現場をご紹介します。
動画でご紹介している車両は、「エンジンはかかるけれど、アクセルを開けて回転数を上げようとすると止まってしまって、全く前に進まない」という症状で入庫しました。
今回の症状:アイドリングはするが、アクセルを開けると止まる
バイクのエンジン不調にも様々なパターンがありますが、今回の症状は以下のような状態でした。
- セルを回せばエンジンはかかる(アイドリングは安定している)
- パーキングレバーを下ろしてアクセルを回すと、波打つように回転が落ちてエンストする
- 全く走ることができない状態
「エンジンがかからない」のであれば、点火系(プラグ等)の火花が飛んでいない可能性が高いですが、「かかるのに吹け上がらない」となると、ガソリンが適切に供給されていない(キャブレターの詰まり)などを疑う必要があります。
原因を探る:プラグ?それともキャブレター?
まずは基本中の基本であるスパークプラグを外して確認してみました。少し湿ってはいましたが、これが決定的な原因という感じではありません。
「やはりガソリンと空気を混ぜる装置であるキャブレター(キャブ)が怪しい」と判断し、車体を分解してキャブレターを取り外すことにしました。
キャブレターを分解してみると…
2ストロークエンジンの不調の約8割は、このキャブレターに原因があると言っても過言ではありません。中に水が混入していたり、ゴミが詰まっていたりすることが多いのです。
慎重にキャブレターを開け、ガソリンを吸い上げるための小さな穴(メインジェット等のジェット類)を確認していきます。パッと見は汚れもなく、穴も綺麗に通っているように見えました。
発見!決定的な原因は「液体パッキンのカス」だった
ジェット類をさらに詳しくチェックしていくと、ある事実が判明しました。
キャブレターの合わせ目(フタの隙間)に、「液体ガスケット(液体パッキン)」がべったりと塗られていたのです。
なぜ液体パッキンが原因に?
液体パッキンは固まるとゴム状になります。キャブレター内部でこのゴム状のカスが剥がれ落ち、ガソリンを吸い上げる「メインジェット」という細い穴にスッポリと挟まって塞いでいたのです。
アイドリング時には別の経路を使っているためエンジンは回りますが、アクセルを開けてメインジェットから多くのガソリンを吸い上げようとした瞬間、このゴミがフタをしてしまい、ガソリンが足りずにエンストしてしまっていた、というのが今回の真相でした。
専門店からのアドバイス:パッキンの再利用は絶対NG!
キャブレターからガソリンが滲んでくると、とりあえずの応急処置として合わせ目に液体パッキンを塗りたくなる気持ちはとてもよく分かります。
しかし、キャブレター内部への液体パッキンの使用は、百害あって一利なしです。
はみ出したゴムのカスが今回のようにジェット類に詰まり、重大なエンジントラブルを引き起こします。
ガソリン漏れが発生した場合は、液体パッキンで誤魔化すのではなく、必ず新品のゴムパッキン(Oリング)に交換してください。
当店でキャブレターを徹底的に洗浄し、ゴムのカスを完全に除去してガン吹きで清掃。新品のパッキンで組み直した結果、無事に気持ちよく吹け上がり、走れるようになりました。
プロの診断で、見えない不調を根本から解決します
「他店で直らなかった」「エンジンはかかるけど調子が悪い」など、
ジャイロキャノピーのお悩みは専門店のWINGオオタニにお任せください。